ワークショップとお稽古六日目

今日は午前中は子どもワークショップ。
午後からは戯曲ワークショップでございました!

子どもワークショップはみんなでお稽古して発表しました。
台本ではなくて、あらすじだけを作りました。
あとは子どもたちが自由に動きます。

登場人物は子どもたち。
魔王。
お話を読むお姉さん。

おはなしはこちら。


『魔王とこどもたち』

ある日のこと。
恐ろしい魔王はお腹がペコペコでした。
何か食べないと、いくら魔王でも死んでしまいます。
おや?
魔王は耳を澄ましました。
何かが、聞こえてきます。
なんだろう。
どんどん大きく聞こえてきます。
あれは・・・
恐ろしい魔王はにやりと笑いました。
聞こえてきたのは子どもたちの楽しそうな歌声でした。
歌声、それは魔王の大好物です。
この魔王は、なんと声を食べる魔王だったのです。

そうとは知らずに、子どもたちはみんなで楽しく鬼ごっこを始めました。

その時です。

「ストップ」

魔王が魔法の言葉を言いました。
魔王は次々に子どもたちから「声」を奪って食べてしまいます。
もうお腹いっぱい。もう食べられない。満足満足。にやりにやり。

「起きろ」

さぁ、大変。
誰の声も聞こえません。
どんなに口を大きく開けても、なんにも聞こえません。
子どもたちはびっくりです。
ぐぉーぐぉー。
イビキが聞こえます。
見ると、お腹いっぱいになった魔王が眠っています。

子どもたちは自分たちの声を取り戻さなければなりません。

でもそれは簡単なようで、とっても難しいんです。

この魔王を大声で笑わせることができたら、子どもたちの歌声が戻ってくるのです。

さぁ、どうしたらこの魔王、大声で笑うんでしょうか?

「あっはっはっ」

魔王が笑いました。
するとひとりめの声が戻りました。
ふたりめの声が戻りました。
さんにんめの声が戻りました。
よにんめの声が戻りました。

これでみんなの声が、やっと戻ってきました。

おしまい


魔王は亀尾先生にお願いをしまして、
本を読むお姉さんには『ブラウンノイズ』に出てもらったゆずちゃん。
そして、子どもたちが歌う歌の曲をラ・メールの小林さんが弾いてくださいました。
どうやって魔王を笑わせるかを子どもたちで考えました。
お姉さんが読む物語を、子どもたちと魔王で立体的に創るのです。
最後はひとりずつお歌を歌うのであります。
自分の歌いたい歌。
小林さんは知らない曲でもすぐに調べて、楽譜もないのにすぐに弾いてくださいます。
音楽に詳しくないワタクシはもう、ただ、 す、すごいとしか言えません。
4人の子どもたちが、ひとりひとり歌います。

なぜ、なのでなのでしょうか。
精一杯歌う姿は、なぜにこんなに胸がいっぱいになるんでしょうか。

子どもたちだから胸がいっぱいになるんでしょうか。

でも、違うな。
と、思うのであります。
子どもだから、というのはちょっと違うなと。
子どもを理由にしているなと。

子どもだろうが大人だろうが、
やっぱり精一杯は胸いっぱいになるんだと気がつくのであります。

そして午後からは戯曲のワークショップでございます。
こちらは大人向けでございます。
とにかく短編を書き切るのでございます。
こちらも精一杯の大人たちがおりました。
胸いっぱい。
亀尾先生はぶんぶん書き進めながら、
「これは、書けるな・・・」と呟いておられましたな。


時間内に書き上げられた人から読ませてもらいました。
どれもみなさんの個性が見えて、読んでいるだけでも楽しかったのです。
ではこれをもっともっと楽しく出来るように、
ワタクシはいろんなことを見つけ出します。
ココをもっと広げられるんじゃないか、とか。
ココをもっと掘り下げられるんじゃないか、とか。
今回は初めて本を書く、という方がたくさんいらっしゃって、
今までは本を書くキッカケがなかったけれど、
このワークショップがキッカケになればいいなと思うのであります。

そして夜からは鬼稽古!
初通しでございます。
問題点はとてもクリアでございます。
何が問題だったかがはっきりすれば、それは必ず乗り越えられるのだと思うのです。


だから明日のお稽古は、また新たなものになるのだと思うのです。

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