いつもならその地域の公演が終わったあとで、パンフレットの座談会をUPしていたのですが、
今回は終わる前にUPいたしますー!
今回は終わる前にUPいたしますー!
東京公演に向けて
樋口 桜井くんが今日は(座談会に)いなくて淋しいですが、最後の東京公演に向けて。
佐々木 東京公演中に(戯曲の)プロット書いたり、書き進めないとな、って思ってる。
黒田、樋口 おお!
黒田 忘れてたわ。
佐々木 毎回、毎回、真史が言うから、今回はこっちから先に言おうと思って。
樋口 千秋楽で、「台本出来ました!」とか言われたらテンションあがるね。
黒田 打ち上げが楽しいね。
樋口 みんなで回し読みとかしてね。
佐々木 怖いわ! 渋川くんあたりが、「これ書き直しだと思います」とか言いそう(笑)大阪はね、白い空間っていうのが初めてでしたね。王子も白いけど。
樋口 大阪のcan tutkuは、冷酷な場所やったな。
黒田 そんな風には感じなかったんだけど!?
佐々木 あったかい感じしたけど!?
樋口 客席で観ているとね、役者(の中身)が動いてないと、全部露わになって、ああ、動いてないなぁってすぐ分かる。
佐々木 裏返しで、動いていたらストレートに伝わるってことだよね。
樋口 そうそう。
黒田 今まで一関とかおっきい会場やったからやっぱり自分に起こっていることをかなり大きめに増幅してやらないと見えないかなって、たぶん、拡張する癖みたいなのがついて、公演するたんびに自分の中で動いているものをどんどん大きくしていくみたいな感じで大阪もやっていて、そしたら大阪の千秋楽の前の回で、嘘ついている、演技しすぎている、ただ動いているだけ、みたいなことを演出から言われ、
樋口 空間担当からね。
黒田 それで最後の回、もう一回、表に出すということを気にせずやったら、それでも近いから充分伝わるんやなって。
樋口 私も何回も観てるから麻痺してくるところがあって、それを出口さんに「お姉ちゃん、あんなにせんでも分かるで」って指摘されて、ズバッと。ああ、そうかって。
佐々木 脚注つけたいね。出口さんとは、
注釈:出口さんとは、大阪のcan tutkuの店長でもあり、今回の大阪の宿のおかみさんでもあり、樋口のもっとも信頼する役者さんのひとり。渋皮まろんの名づけ親でもある。
樋口 毎回新たに見ようとしても慣れはあって、このマハズレチームとも、TAMHIMとも違う、もっと外部から自分が信頼おける人に指摘を受けるってのは一番リセットしやすい。
佐々木 長かったよね。
黒田 まだ(東京公演)終わってもないって。
樋口 でもね、飽きひんね。
黒田 そう。私も、正直、飽きない。
樋口 松山の初日と今じゃ全然違う。進化じゃなくて、深化してると思う。
黒田 自分のことで言えば、複雑になってるかな。
樋口 中身が?
黒田 松山はカタチで魅せてたと思うの。
樋口 あ、うん!
黒田 シンプルにね。でも今は、もっと気持ち悪いウジャウジャしたものが入ってきてる。人間に見えなかったって感想でよく言われて。なんかベトベトした生き物とか、海から上がったばっかりとか、そういう質感とかも入ってきてるな。
樋口 でも考えたら、私らは肉体があって皮膚で中身が留まってるけど、人間のほんまの中身ってベトベトしてさ、よく分からん魔物みたいなもん、やと思う。そういうのが、表に出てるんやろなって、それが深く変化してるってことやと思う。
黒田 若干ね、ライフワークの感じが出て来た。もういつでもどこでもやれますって感じ。
樋口 ガラガラ(スーツケース)持って、すぐ(照明も音響も)できまっせー、みたいな。
佐々木 あとさ、うちらがやっぱ良かったのは、正解を探さなかったなって。
樋口 正解は……探してないねぇ!
佐々木 俺も、真史も、その場で起こったことをやって、すごい自由に出来てるなってトコ、見どころです。
黒田 あ、琢の動きが一番変わってるよね。
佐々木 各場所で、あるもの使って、かなりね。
黒田 いろんなものが付け加えられてるよね。
樋口 桜井くんの音も、まったく正解を探してないね。(舞台で)二人がやっていることを瞬間に捉えて音を出すとか、あと彼自身が「これやったらおもろいんちゃうか」ってことをぶっこんでくる。
黒田 ね。本番でいきなり新しい音入れてきたりとか、いつの間に音用意してたん?
佐々木 かっこいいわ。
黒田 大阪公演はオペ席が見えて、桜井君がノッてるかノってないかよく見えましたよ。
樋口 顕著やった。あたしも照明操作しながら、ちらっと桜井くん見たらノリノリやねん。でもあたし自身の身体も気付かんうちに自然にノっていることに気づくの。でも、この回、桜井くんノッテないなぁて思ったら……ああ! あたしもノってないやん! って。
佐々木 これパンフで書いたら、お客さんチラチラ、オペ席見るかも。
黒田 見ないでください!
樋口 不思議やねんけど、ああ、これはいい瞬間やなっていう回に、終った瞬間に桜井くんがあたしのほうを見て、「良かったすねこの回」って言うたの。人によって感覚も違うし、何がイイと思ったかは、たぶん桜井くんとあたしでは細かいところとかは違う、けど、ああ、この空気がイイんやっていうのが一緒なのが、チームとしてやってて、なんかね、こう、晴れ晴れとした気分になるね。
黒田 それぞれバックグラウンド全然違う4人やのにね。
樋口 実は4人とも誰かの意見にすり寄らへんのよ。
佐々木 ほう?
樋口 えーと、琢さんが気になること、真史さんが気になることは、ギリギリになっても振り返って見直そうとか、そういう共有はあるし、無理に我を通すことはしないんやけど、でも、悪い意味での、この人こう言うてるから寄っとこか、みたいな、
佐々木 ああ、ない。
黒田 ああ、ないな。
樋口 4人がそれぞれ、自分の感覚というか、自分の軸を実は一番信じていて、その軸が重なって「いいね」ってなった瞬間だけを集めてるから、あたしも自分を曲げずに、誰も自分を曲げることなく創ってるなという感覚が、あたしはチームとして嬉しいことかな。
佐々木 3月の稽古初日に言ってたことでホントに創れたね。
黒田 へ? なんか言うてた?
佐々木 言ってたよ! これいいねを集めようって!!!(松山パンフ参照)
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