1―――――夢ってやつは、
佐々木 まずね、みんなにね、ちっちゃい頃の夢を聞いてみたい。じゃ真史から。
黒田 ええ!? ええ、え、えーとね、小学校5年生くらいの時にオードリ・ヘプバーンになると思ってた。
佐々木 す、すげぇ。
黒田 で、だんだん年いくにつれて、あ、現実はそうじゃないんだって分かってきて。
樋口 いい夢だねぇ。琢さんは?
佐々木 俺は小5でこの病気になったから、医者目指してた時期が長くて。でも全然勉強しなくて麻雀ばっかしてた。ミユさんは?
樋口 私はねぇ、夢のない人間やからなぁ。ナニナニになりたいというのはなくて、超能力が、あるんだろうな、いつ目覚めるかなとか。
黒田 なにそれ。
樋口 テレビを念力でつける修行をやって、ああ、まだつかんへん。目覚めはまだやなと。
桜井 俺もそれやってましたよ。
樋口 やるよな!?
桜井 電気のスイッチをこうやって(目を細める)
樋口 そうそう!
黒田・佐々木 ないなぁ。
桜井 手から炎とか出したかったですね。
佐々木 それって夢なの?
桜井 夢と呼んでいいのなら。『烈火の炎』っていう漫画が大好きで、あの主人公に憧れて。
樋口 アニメ系?
桜井 印を結ぶと手から色んな形の炎が。それをやりたくて夢にまで見て。
佐々木 じゃあ、今の夢は?
桜井 今の夢!?
佐々木 今、現在持ってる夢。
桜井 なんだろう。長くなるかもしんないけど、この間、(俺が)器用貧乏って話あったじ
ゃないですか。
樋口 ごめん(そんなこと言って)
桜井 いや、俺もほんとそう思ってんだけど。あっちゃこっちゃ手伸ばして、なんでかなって考えて、これは役者とか、空間とか、音楽とか、映像というものを素材にして俺は何かを創るんだろうなって思った。例えば舞台で映像と音と役者を同列にして何かを創りたいなぁと、最近ぼんやりと思ってます。
樋口 マルチ? マルチ表現者? なんつったらいい、そういうの。
桜井 器用貧乏を、生かす方向で考えてみようかと。
樋口 器用貧乏表現者?
桜井 ナニナニ家とか、じゃなくて。
佐々木 作家とか、演出家とかじゃなくてってこと?
桜井 はい、そう。音楽家とか、そういう、肩書きの夢はない。
佐々木 素敵や……真史は?
黒田 今の夢?
佐々木 この年齢で聞かれることなくない?
黒田 ないねぇ。私は今やっている表現を続けたいと思っていてて。でも才能が、ないってね、とある人に言われまして。確かにない。でも、継続して、続けて……やー、夢ないな。夢がないっていうのが悩みかもしれん。おっきな目標とかじゃなくて、今が続けばいい、と思っている。
佐々木 それには俺も共感出来て、
黒田 これって、ほら、ニートじゃなくて、
佐々木 モラトリアム?
黒田 そんな感じ。
佐々木 俺もね。あ、なんで夢のこと聞いたかっていうと俺ね、今ね、夢が見れねぇって思っていて、具体的にね。一生演劇を続けるという夢を考えると、劇術監督になったりとか、賞とったりとか、おっきい劇場でやるとか、そーゆーの、やったり、なったり、しても、なんか、しょうがねぇなぁって……保育園のお遊戯会の台本書いたり、みたいなことでも一生演劇が出来たらそのほうが幸せな気がして。
樋口 幸せな演劇を、一生続ける?
佐々木 幸せに、演劇を一生続ける。
黒田 あ、私もうちょっと喋っていい?
佐々木 ごめん。途中で奪っちゃった。
黒田 私はね、職人がいいなと。自分なりの方法論をどんどん蓄積更新していって職人になりたいかな。俳優として。ダンサーとして。
樋口 ガラスの仮面読んだ?
黒田 え!? いや……
樋口 私は姫川亜弓を応援するで。
黒田 は?
樋口 才能でいえばマヤのほうがあるかしらんけど、姫川亜弓は職人やねん。
佐々木 ああ、はいはい。
樋口 真史さん、ガラスの仮面読むといいわ。
佐々木 うん、きっと将来演劇をずっと続けられるのは亜弓さんのほうだよね。
黒田 分かった。読むわ。
樋口 私の夢はな、本気やで。来世、クジラになりたい。あれ最高の生き物やん。だから今生、めっちゃ一生懸命生きなあかんねん。
桜井 クジラって一度陸に上がってるんですよね。でもまた海に戻って行ったから、人間超えたんすよね。
樋口 最強やろ?
佐々木 いや、ミユさん、もうホントに分かんないから俺の話を続けるね。真史はさ、例えば、自分の夢を誰かと分かち合えたり出来る?
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