すっかり整えられました。

さてこの数日。
夏休みを過ごしましたワタクシ。
めちゃくちゃになった体内時計は、すっかり整えられました。
太陽とともに過ごすと体がもとに戻るのでございますわね。
太陽が昇るとともに布団に入るような生活を続けているとですね、
起きてるんだが寝ているんだかもう分からなくなりましてよ。
寝ているのに起きている。
起きているのに寝ている。
ほっておいたらいつまでも寝ている。
ほっておいたらいつまでも起きている。
これは人として良くないのねぇとつくづく反省でございます。

風の音しかしないところ。


空が海で、海が空になるところ。

ついこの前に終わったリーディング『ブラウンノイズ』に書いたト書きとおんなじように、
空を見上げたのでございますよ。


乗客0は空を見上げて、「わぁ」と声を上げる。

トガキ もっと正確に言うならば、空ではない。
見上げると頭の上一面に海。魚が飛んでいる。
手を伸ばすとウロコに触れ、背びれに触れ、尾びれに触れた。
びょんとヒレが伸びて羽になり、魚は鳥になってペタペタと地面を歩き回る。
乗客ゼロは鳥の背中に飛び乗った。
とたんに、鳥は四足の獣に姿を変えて時速200キロで走り出す。 

                乗客0は声をあげる。

                「あ、」

                「あ、」

                「あ、」

                「あ、」

トガキ びゅんびゅん景色がすっ飛んでいく。
赤、青、黄色、緑、ダイダイ、紫、あまりにも速すぎてその景色が町なのか、
森なのかさえ分からない。湖が空中に浮かんでいたかもしれない。
いつまでの終わらない二重の螺旋階段があったかもしれない。
乗客0は振り返り今まで自分がいたはずの駅を見た。
すでに駅の姿はなく緑のぶよぶよした生き物が無数にいて、 

                カエレー

                カエレー

                カエレー

トガキ と、鳴いていた。
四足の獣はさらに速度を上げて突っ走る。
もう引きかえさないさと、四足の獣が言ったような気がする。
 
 
 
よつあしのケモノ。
 
こんなところから、やってきたのかと、思いましてよ。
太陽とともに起きて太陽とともに寝床にもぐりましょ。

 

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