その一言はショックよ。

もう行ける時間はないだろうからと、今日美容院に行きまして。
来週は本番ですもの。
伸びたい放題の髪の毛をさっぱりしようとね、美容院に行きまして。
東京で行くならココ。
大阪で行くならココ、と決めておりますの。
大阪は、高校の頃の後輩がやっている美容院へ。
家業を継いで美容師になったりっちゃん。
二児の母。

「先輩、どうします?」

といつものように聞いてくれます。
だいたいいつもは、

「クールビューティーで」

ワタクシそう答えます。
ええ、とても真剣に。本気で。
そしていつも、

「はい、かしこまりました」

と、りっちゃんは答えてくれるのでございますのよ。
そして今日もいつもどおり、

「先輩、どうします?」

今日のワタクシはいつもと違っていてよ。

「今日はね、セクシーに。うんとセクシーに」

なったはずです。
セクシーになったはずなんです。
りっちゃんのウデは確かですから!
なのになぜだ。
美容院からの帰り道に、見ず知らずのおばちゃんにワタクシこう呼び止められましたことよ。

「そこの僕、」

ねぇ、おばさま。それショックな一言でございましてよ。





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