マリィヴォロンのことも。

そして出口さん。
役者の出口さんには絶対的信頼を寄せております。

こういうの、無理かい?とボールを投げかけると必ず変化球を投げ返してきます。
見た目が小さいから、なんだかハカナゲなイメージを持たれることもありますが、
いやいや、どうしてその気性の荒さといったら西成イチじゃないでしょうか。
そうね、ワタクシ一度、グーで殴られたことがありましてよ。
納得いかなきゃ譲らない。
納得いくまでやり続ける。
それはもう根性とかそんなレベルではありませんえん。
ポリシー・・・?

自分にどんな癖があるかもきちんと自覚がある。
あるからそれを克服する。
彼女はお芝居に対してとても貪欲なのです。

マリィヴォロンをするときに、出口嬢に声をかけました。
「これ、やるんだけどお願いできない?アフターショックが終わってすぐやけど」
「やる」
即答でございますわ。
ねぇ、あなた休まなくていいの?
とは、ワタクシ言いませんが。
マリィヴォロンを終えた後、出口さんが、
「文字の上を歩いているようだった」
と言いました。上演の後半から終わりにかけて、目が離せませんでした。
マリィヴォロンの台本の言葉にあるように、
「スピリチャルなものに守られて成就する」
というそのものでした。

想さんが彼女のことを、
「恐ろしくカンの良い女優だ」
と言ったことはホントにその通りだと思った。

アフターショックの時は、出口さんは大黒柱。
出口さんの立ち姿が少し不安定な時は、お芝居全体が不安定に見えたりする。
それはほんの少しのことだけど、ほかの役者にも伝染するみたいに。
だからぎゅっと踏ん張るのです。
本当に彼女は小さな巨人。

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