劇場の終わり

それに立ち会ったことが、過去に二度ございます。
劇場は、ニンゲンがニンゲンと出会うのと似ている。

一度目は、梅田のスペースゼロでした。
もうスペースゼロを知っている人は少ないだろうし、
あったことさえ知らない人もいる。
時間は流れているものでございますから、
そんなことは当たり前でございます。

かつて、あった。
それで十分でございましょ?

随分と時間がたって、私はゼロについて考えましたねぇ。
きっと私はゼロという劇場から反骨を学んだのだと気がついて。

私は忘れないだろう。

二度目は、扇町ミュージアムスクエアでした。
柱を、殴りで叩いて砕けたカケラ。
ポケットに入れて持ち帰った人々はたくさんいらっしゃいました。
私は持ち帰りはしませんでした。

かつて、あった。
それで十分でございましょ?

今さらと言わずに振り返ってみれば、
扇町が私に教えたことは、感謝、でございましょうか。

私は忘れないだろう。


今日は精華小劇場の終わりでございました。
私はここで何を目撃し、何を得たのでしょうかねぇ。
すぐになんて、無理でございましょうよ。だって、ねぇ。

なう、なんてものは思い込みだ。

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