大豆の力

ワタクシの、二十代の頃の食事事情をご紹介しましょう。
母親のモットーは『健康のためなら死んでもいい』

樋口家の食卓はまずお豆腐一丁を平らげることから始まります。
そして納豆、それらを食べてから、夕食が始まるのでございます。
この豆腐と納豆を乗り越えなければ夕食にはありつけません。
この時点ですでに満腹感を感じます。

自然をそのまま食することを愛する母親は、調味料には頼りません。
豆腐を食べる際には、醤油は母親が管理いたします。
なんことだかお分かりいただけませんか?
醤油を滴らすのは、母親しか出来ないのです。
ええ、それが、樋口家ルール。
母親は慎重に命の一滴を滴らしてくれるのです。
ええ、一滴。
一滴のみ。
一滴しか。
豆腐一丁に対して、醤油が一滴。
みなさま、一度はためしてくださいませ。
大豆の味を噛み締めることができます。

素材の味を最大限に引き出せる、母の愛。
親の愛はすぐには受け止められないのが
子供というものでございましょう。

ええ、久しぶりに家に帰った時、今だに思います。

醤油くらい、好きにかけさせてくれと。

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